ホテルで行われる宴会やパーティー、結婚式の披露宴、レストランなどの飲食店では、さまざまなドリンクが用意されます。サービススタッフはオーダーや配膳を行うので、お客様から質問された時にしっかり答えられるよう、ドリンクについて一通り覚えておきたいところです。今回は、接客業・飲食店で働きたい方に向けに、焼酎・日本酒の種類や飲み方をご紹介していきます。
目次
焼酎の種類
「焼酎」は、穀類や芋類を原料とする日本の蒸留酒(じょうりゅうしゅ)です。全国各地でそれぞれの地域の特色を持った焼酎が醸造されているので、味わいの違いを楽しむことができます。
「蒸留酒」とは、「醸造酒(じょうぞうしゅ)」を加熱し、蒸気を冷やして液体にしたお酒を指します。醸造酒に比べ、アルコール度数の高いものが多いです。
「醸造酒」は、原料となる穀類や果実を、酵母でアルコール発酵させて作られたお酒のことです。記事の後半で紹介する日本酒は、醸造酒にあたります。
①芋焼酎
「芋焼酎」は、主原料にサツマイモを使った焼酎です。濃厚な甘さや香りが特徴で、また、サツマイモの品種によっても味わいが異なります。
②麦焼酎
「麦焼酎」は、主原料に大麦を使った焼酎です。クセがなく、すっきりとした口当たりのものが多いので、焼酎が苦手な方でも飲みやすいと言われています。近年は、麦の個性をより活かした熟成タイプのものも増え、焼酎ファンから注目を集めています。
③米焼酎
米を主原料に使う「米焼酎」は、醸造酒である日本酒を蒸留させた焼酎です。そのため、アルコール度数が日本酒より高く、すっきりとした味わいに仕上がっています。
焼酎の飲み方
焼酎は、さまざまな飲み方が楽しめるお酒です。どんな飲み方があるのかを一通り理解しておけば、接客時にお客様から聞かれた時にもスムーズに対応できます。
①チューハイ
「チューハイ」は、焼酎をソーダで割る飲み方です。飲みやすいので、焼酎が苦手な方にもおすすめしやすいとされています。
②サワー
「サワー」は、焼酎をグレープフルーツやレモンなど酸味のあるフレーバーで割る飲み方です。チューハイと同じ括りにされることも多いのですが、チューハイよりもフルーティーな味わいになります。
③ロック
「ロック」は、氷の入ったグラスに焼酎を注ぐ飲み方です。焼酎の風味が楽しめます。
④水割り
「水割り」は、焼酎を水で割り、好みの濃さにする飲み方です。焼酎がマイルドな味わいになります。レモンスライスや梅干しを加える場合もあります。
⑤お湯割り
「お湯割り」は、焼酎をお湯で割った飲み方です。湯気とともに素材の香り立ち上がり、焼酎の風味を楽しめます。梅干しをつぶして入れるなど、味に変化を付ける場合もあります。
⑥お茶割り
「お茶割り」は、焼酎をお茶で割った飲み方です。使われるお茶は、緑茶、ウーロン茶、ほうじ茶などがあり、冷たいものでも温かいものでも作れます。温かいお茶の場合は、まずグラスにお茶を注ぎ、そのあと焼酎を加えます。
こんな単発バイトあります!
日本酒の種類
「日本酒」は、米、米麹、水を原料とする醸造酒です。
日本酒には「特定名称酒」と「普通酒」があります。
このうち、「特定名称酒」は、「本醸造酒(ほんじょうぞうしゅ)」「吟醸酒(ぎんじょうしゅ)」「純米酒(じゅんまいしゅ)」と大きく3つに分類されます。
①本醸造酒
「本醸造酒」は、精米歩合70%以下の米、米麹、水、醸造アルコールで製造された日本酒です。まろやかで辛口の味わいが特徴です。本醸造酒の中でも、精米割合60%以下または特別な製造方法(要説明表示)の日本酒を「特別本醸造酒」といいます。
なお、「精米歩合」とは、日本酒の製造に使われる米における、精米で削ったあと残った部分の割合を示します。米は削って中心部に行くほど香り高くなるため、精米歩合が低い日本酒ほど高品質とされています。
「醸造アルコール」とは、サトウキビなど植物由来の原料を発酵させた純度の高いアルコールのことです。
②吟醸酒
「吟醸酒」は、精米歩合60%以下の米、米麹、水、醸造アルコールの原料を、低温かつ長時間発酵させる「吟醸造り」によって製造された日本酒です。フルーティーな香りが特徴とされています。
吟醸酒の中でも、精米歩合50%以下のものを「大吟醸酒(だいぎんじょうしゅ)」と呼びます。
③純米酒
「純米酒」は、米、米麹、水を原料とし、醸造アルコールを使わずに製造した日本酒です。米の旨味やコクがしっかりと感じられ、濃惇な味わいが特徴です。純米酒に精米歩合の規定はありませんが、精米歩合60%以下または特別製造方法(要説明表示)のものを「特別純米酒(とくべつじゅんまいしゅ)」と呼びます。
また、吟醸酒のうち、精米歩合60%以下で醸造アルコールを使わないものは「純米吟醸酒(じゅんまいぎんじょうしゅ)」、精米歩合50%以下で醸造アルコールを使わないものは「純米大吟醸酒」と呼びます。
④普通酒
「普通酒」とは、先に説明した「特定名称酒」に該当しない日本酒のことです。原料、精米歩合に規定がなく、価格帯はリーズナブルな傾向にあります。日本酒の中でも普通酒は、日常的に親しまれ、多く流通しています。
日本酒の飲み方
種類の多い日本酒とあって、飲み方にもさまざまなバリエーションが存在します。お酒の温度もキンキンに冷えたものから熱いものまであるので、サービススタッフは飲み方について整理しておくとよいでしょう。
①冷酒
「冷酒(れいしゅ)」は、日本酒を冷蔵庫や氷水で5~15度に冷やす飲み方です。冷たくすることにより、引き締まった味が楽しめるのが魅力とされています。甘みが控えめの本醸造酒やフルーティーな吟醸酒におすすめです。
温度帯によって3つの呼び名があります。
・雪冷え(ゆきひえ):5℃前後。冷蔵庫でキンキンに冷やされた状態のもの
・花冷え(はなひえ):10℃前後 。冷蔵庫から取り出した直後のもの
・涼冷え(すずひえ):15℃前後 。冷蔵庫から取り出して10分程時間を置いたもの
②冷や(常温)
「冷や(ひや)」は、日本酒を常温にした飲み方です。漢字や響きから、冷たい飲み方を想像してしまうかもしれませんが、日本酒の温度は20~25℃と常温になります。純米酒をはじめ、米の旨味をじっくり味わえる日本酒に適した飲み方です。
③ぬる燗
「ぬる燗(ぬるかん)」は、日本酒を40℃以下の「ぬるめ」の温度にした飲み方です。日本酒の旨味が引き立つので、純米酒におすすめです。
温度帯によって3つの呼び名があります。
・日向燗(ひなたかん):30℃前後のもの
・人肌燗(ひとはだかん):35℃前後のもの
・ぬる燗(ぬるかん):40℃前後のもの
④熱燗
「熱燗(あつかん)」は、日本酒を加熱して50℃前後にした飲み方です。熱くすることで米の旨味や甘みが高まるので、純米酒におすすめです。
温度帯によって呼び名があります。
・上燗(じょうかん):45℃前後のもの
・熱燗(あつかん):50℃前後のもの
・飛びきり燗(とびきりかん): 55~60℃前後のもの
いずれも日本酒を入れた器が熱くなるので、気をつけて配膳し、またお客様にも器が熱い旨をお伝えすると親切です。
⑤その他の飲み方
日本酒にはほかにも色々な飲み方があります。
・みぞれ酒(みぞれざけ):日本酒をシャーベット状にしたもの
・オンザロック:日本酒を氷の入ったグラスに注いだもの
・カクテル:日本酒をリキュール類で割ったもの
・緑茶割り:日本酒と緑茶で割ったもの
焼酎や日本酒について覚え、即戦力になろう!
今回は、焼酎や日本酒の種類や飲み方についてご紹介しました。種類、飲み方のバリエーションともに豊富なので、覚えるのは大変かもしれませんが、ドリンクの知識があれば、宴会や披露宴で働く時にスピーディーかつ丁寧に仕事ができます。
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