
パート・アルバイトのシフトを組む時「5時間勤務の場合は、休憩は必要だろうか」と迷った経験のある採用担当者の方も多いはずです。
特に、飲食店・接客業の場合は、繁忙期や人員配置のバランスを考える必要があるため、判断に悩む場面も多いかと思います。
実は、休憩の有無は勤務時間によって法律で定められています。
この記事では、5時間勤務の場合に休憩時間が必要かどうかをわかりやすく解説していきます。
目次
パート・アルバイトで5時間勤務だと休憩は必要?

1日5時間勤務のパート・アルバイトについては、法的には企業が休憩時間を与える義務はありません。
労働基準法では、休憩を付与するのは労働時間が一定時間を超えた場合に必要とされており、具体的には6時間を超える勤務で45分以上、8時間を超える場合に1時間以上と定められています。
そのため、勤務時間が6時間以内のシフトであれば、法律上は休憩がなくても問題はない、ということです。ただし、現場運営の観点からは「義務がない=配慮が必要ない」と単純に割り切れるものではありません。
実務上は、5時間勤務であっても休憩を設けた方が良い、あるいは実質的に必要と判断されるケースも少なくありません。
※参考:労働時間・休憩・休日関係/厚生労働省
- 一部のスタッフから、休憩を希望する声がある
- 着替えや準備、片付けの時間を含めると、実際の拘束時間が6時間を超えてしまう
- 立ち仕事が中心で、夏場の猛暑や繁忙期の長時間対応など、身体的な負担が大きい
- 働きやすさを示す制度として、休憩時間があることを福利厚生の一環として位置付けたい
5時間連続かつ休憩なしの勤務が続くと、「思っていた以上にきつい」「少しでも休憩があれば続けやすい」といった不満が蓄積しやすくなり、結果として早期離職につながるリスクが高まります。
法律を守っているかどうかだけで判断するのではなく、現場の声や職場環境を踏まえて休憩の取り方を柔軟に考えることが、スタッフの定着率向上や安定した採用につながる重要なポイントと言えます。

労働基準法による休憩時間の基本的な考え方

休憩時間について正しく理解するためには、何時間働いたら休憩が必要かというだけでなく、どのように休憩を与えるべきかという運用面のルールまで押さえておくことが不可欠です。
労働基準法では、休憩の付与方法もいくつかの原則が定められており、これを知らずに運用してしまうと、意図せず法令違反につながる可能性があります。
ここでは、採用やパート・アルバイトのシフト管理の現場で特に重要となる、休憩時間の基本的な考え方について確認していきましょう。
休憩時間が必要になる勤務時間の境目
パート・アルバイトを含むすべての労働者に対して、休憩時間のルールは労働基準法第34条で定められています。
この法律では、休憩が必要かどうかは「雇用形態」ではなく、1日の労働時間の長さを基準に判断する仕組みになっています。
具体的には、勤務時間の区切りによって次のような考え方が基本になっています。
- 勤務時間が6時間以下
休憩の付与について法律上の定めがなく、企業の判断による - 勤務時間が6時間を超え、8時間以下
少なくとも45分以上の休憩が必要 - 勤務時間8時間を超える
少なくとも1時間以上の休憩が必要
このルールを前提に、企業はシフト設計を行い、就業規則や雇用契約書の内容を整備していく必要があります。
特に、短時間勤務が多い現場ほど、勤務時間の境界線を正しく理解しておくことが重要です。
「休憩」として認められる時間は?
休憩時間は、ただ業務を行っていない時間を設ければ良い、というものではありません。労働基準法上の休憩とは、労働者が完全に業務から離れ、自由に使える時間であることが求められています。
たとえば、休憩時間中であっても、
- 電話対応や来客対応を任されている
- 混雑時にはすぐに業務に戻るように指示されている
- 実質的に持ち場を離れられない状態になっている
という場合は、その時間は「休憩」ではなく、労働時間として判断される可能性があります。
このような誤解が生じやすいため、休憩を適切に運用するうえでは、単に時間を区切るだけではなく「業務から完全に解放されているか」という視点が欠かせません。
ここからは、休憩時間を定義する3つの重要なポイントについてを詳しく解説していきます。
休憩時間を運用するうえで覚えておきたい「3つの原則」
休憩時間には、単に時間を設ければ良いというわけではなく、労働基準法上で定められた運用ルールがあります。
ここでは、特に押さえておきたい、休憩に関する3つの原則を確認していきましょう。
- 途中付与の原則
休憩は、あくまで業務の合間に取らせるものとされており、出勤前や退勤後の時間を休憩として扱うことはできません。たとえば、始業前に待機時間を設けたり、退勤後に時間を空けたりしても、それを休憩時間に含めることは認められません。 - 一斉付与の原則
休憩は、同じ職場で働く従業員に対して、基本的には一斉に与えることが求められます。ただし、交代制勤務を採用している場合や、業務の性質上どうしても一斉付与が難しい場合には、労使協定を締結することで例外的な運用が可能になります。ホテルや飲食店のように、シフト制が中心の職場は、特に事前の取り決めが重要になってきます。 - 自由利用の原則
休憩時間中は、従業員が業務から離れ、自由に過ごせる状態でなければなりません。そのため、休憩中に電話対応や清掃作業を指示したり、すぐ業務に戻れるように待機させたりすることは、原則として認められていません。こうした場合は、休憩ではなく労働時間と判断される可能性があります。
休憩時間は企業の判断で設定できる

休憩時間は、法律で定められた最低限の基準を満たしていれば、企業が独自に内容を設定することができます。たとえば、労働時間が6時間を超えて8時間以下の場合、必要とされる休憩は45分以上ですが、これを1時間に設定するなど、基準を上回る運用を行っても問題はありません。
また、業務内容や職場環境に応じて、休憩の取り方を工夫することもできます。
たとえば、長時間のデスクワークで身体への負担がかかる職場では、通常の休憩とは別に短時間のリフレッシュ休憩を設けたり、1日5時間程度の勤務であっても、体力を要する業務の場合にはあらかじめ休憩時間を確保したりするなど、現場に合わせた対応が可能です。
このように、休憩時間は一律のルールに縛られるものではく、仕事内容やスタッフの状況を踏まえて柔軟に設定できる制度です。最低限の法的要件を押さえたうえで、自社の働き方に合った休憩の形を検討することが、働きやすい職場づくりにもつながります。
パート・アルバイトが5時間勤務で休憩を設けることのメリット・デメリット

パート・アルバイトの5時間勤務で休憩を設けるかどうかは、法律だけで判断できるものではありません。現場の業務内容や人員体制、そしてスタッフがどのように働いているかによって、変わってきます。
ここでは、5時間勤務で休憩を付与する場合のメリットデメリットをそれぞれご紹介します。
パート・アルバイトの5時間勤務で休憩を設けるメリット
5時間勤務で休憩を設けることで、現場運営や人材定着の面で、次のようなメリットがあります。
- 健康面・体力面への配慮につながる
5時間連続の勤務は、業務内容によっては想像以上に身体への負担がかかります。特に立ち仕事や接客が中心の職場では、短時間でも休憩を挟むことで疲労の蓄積を抑えやすくなります。 - 業務効率やミス防止に効果がある
短時間であっても、休憩によって気持ちが切り替えられるため、集中力や作業の正確さが保たれやすくなります。結果として、クレームやオペレーションミスの予防にもつながります。 - 従業員満足度・定着率の向上が期待できる
パート・アルバイトは、待遇面のわずかな違いが働きやすさの評価に直結しやすい傾向があります。5時間勤務でも休憩を設けることで無理なく働ける職場という印象を与え、離職防止につながります。 - 将来的なシフト拡張に対応しやすくなる
繁忙期などで勤務時間が6時間を超える可能性がある場合、あらかじめ休憩の運用ルールを整えておくことで、柔軟なシフト設計がしやすくなります。
パート・アルバイトの5時間勤務で休憩を設けるデメリット
一方で、休憩時間を設けることで生じる注意点やデメリットもあるので、こちらも確認しておきましょう。
- 制度の運用に一定のコストがかかる
休憩スペースの確保や運用ルールの明文化、勤怠管理など、制度として整えるための事務負担が発生します。 - 拘束時間が延びて短時間勤務の希望者の負担になる場合がある
実働5時間+休憩30分とした場合、実際の拘束時間が30分長くなるため、短時間勤務であることを重視しているスタッフにとっては、この点がネックになります。 - シフト調整や人員配置が複雑になる
勤務途中でスタッフが抜けることで、時間帯によって人手が不足する可能性があります。特にピークタイムが限られていると、事前に業務の流れを考慮したシフト管理が必要になります。
パート・アルバイトの5時間勤務の休憩に関するQ&A

パート・アルバイトの5時間勤務の場合の休憩については、法律上のルールだけではなく、現場での運用や判断に迷いやすいポイントがあります。
ここでは、5時間勤務の休憩時間の考え方について、Q&A形式で見ていきましょう。

5時間勤務で休憩を設けた場合、休憩時間分の賃金は支払いますか?

原則として、休憩時間には賃金は発生しません。
業務から完全に解放され、自由に過ごせる時間があれば、賃金の支払い義務はありません。
ただし、休憩中であっても業務指示があったり、待機や対応を求められている場合は労働時間と判断され、賃金の支払いが必要になります。

休憩時間中に電話番を任せているのですが、問題はありませんか?

原則として問題があります。
電話対応などの業務が求められている状態では、休憩時間の「自由利用」が確保されていないため、休憩とは認められない可能性が高くなります。この場合、実質的な労働時間として扱う必要があります。

5時間勤務の予定が延長して残業になった場合、休憩はいつ必要になりますか?

労働時間が6時間を超えた時点で、45分以上の休憩が必要です。
予定外の残業であっても、実際の労働時間が6時間を超える場合には、法定の休憩を与えなければいけません。事前に想定しづらいケースでも、対応できる体制を整えておくことが重要です。

業務の都合で、スタッフ全員が同時に休憩を取れない場合はどうしたらいいですか?

労使協定を締結することで対応可能です。
原則として一斉休憩ですが、交代制勤務などのやむを得ない場合には、労使協定を結ぶことで例外的な運用が認められています。その場合でも、各従業員に適切な休憩時間を確保する必要があります。

シフト表に「休憩あり」と記載していましたが、実際には取らせませんでした。
問題になりますか?

問題となる可能性があります。
休憩を与えると明示している以上、実際の運用でも確実に休憩を取らせる必要があります。
記載と実態が異なる状態が続くと、法令違反と判断されるリスクがあるため、定期的な運用確認が欠かせません。

従業員本人が「休憩はいらない」と言っている場合でも、休憩は与えないといけませんか?

法定時間を超える勤務の場合、本人の意思に関係なく休憩を取らせる必要があります。
休憩は労働者の健康や安全を守るための制度であり、放棄することはできません。6時間を超える勤務で休憩を与えない場合は、本人の同意があっても違法になります。
パート・アルバイトの5時間勤務の休憩は職場に合わせた設計を
雇用形態に関わらず、5時間勤務の場合は法律上休憩の付与は義務ではありませんが、現場の状況やスタッフの働き方によって判断が異なります。
法的なルールを正しく理解したうえで業務内容や人員体制、定着率への影響も踏まえながら自社に合った休憩時間の在り方を検討することが重要です。
接客業・飲食店専門の単発バイト探しアプリ「バリプラ」では、他のサービスをご利用いただいた際の、ワーカーのスキル不足というお悩みを解決するために、未経験の方向けにプロの基準を満たした人材であるという「Core Manner認定」を取得できる「接客サービス講習」に参加していただいています。
企業の採用担当者さまはこちらから詳細をご確認ください。
- 6 記事
- 15 記事
- 14 記事
- 7 記事
- 5 記事
- 25 記事
- 86 記事





